私は今まで生きてきた人生の前半32年を戸建てに住み、後半33年を集合住宅で暮らしてきました。
今回は「老後に生活する住まい、終の棲家」について「戸建て」と「集合住宅」のどちらがシニア世代に「安心・安全で住みやすい」か両方に長く住んだ経験のある私がいろいろ感じたことを共有していきたいと思っています。
そして記事の内容はと言いますと「中古の戸建てと集合住宅の比較」と「一人暮らしや高齢者だけで暮らす」ことを前提としています。
まずは何も考えずに好みだけで言うなら集合住宅(マンション)での生活の方が私は好きです。しかし「ない物ねだり」と言うか「隣の芝生が青く見える」ように「それぞれの良さ」を羨ましく思うことも多々ありました。
私はいろんな理由でこれからの住まいを新たに考えざるを得なくなり、「終の棲家」の選択の真っただ中です。今まで生活してきた経験と自分の年齢、世の中の変化、経済的問題をよく考えて決めたいと思っています。
住まいを決める場合、好みや置かれている立場などそれぞれいろんな事情があると思うので「戸建てと集合住宅のどちらが良い」と決める記事ではなく、両方のメリットやデメリットを知った上で、ご自身にとってどちらが住みやすいかのヒントになって、これから訪れるかも知れない選択の時に参考にしていただけたら嬉しいです。
是非最後までお付き合いください。
私が戸建てに住んで感じたメリット・デメリット
《住んでみて感じた戸建てのメリット》
【庭があったら】
私は戸建てに住んでいた時は「野菜」を育てたり、お正月は今では珍しい「餅つき」などを楽しんでいました。
庭があれば普段は野菜や花を育てたり、子供や孫たちが遊びに来たら一緒にバーベキューをしたり、夏は大好きな水遊びだってさせられます。
この歳になって強く思う事はやはり庭いじりや家庭菜園ですね。キャットランを作って猫達を外で遊ばせてあげたとも思っています。
【隣の家の生活音が気にならない】
集合住宅のように壁や床で隣の家と区切られていないので騒音トラブルが少なかったです。
趣味の音楽や楽器の音とかはあまり気になりませんでした。私が還暦でピアノを始めた時はマンションだったので電子ピアノを買ってヘッドホンを付けるか音を小さくして練習をしていました。戸建てなら私達シニアが大好きなカラオケも場所によっては出来そうですね。
戸建てに住んでいた時は犬を飼っていました。吠えても何も問題はありませんし、むしろ番犬になるのでより安心です。それに動物も戸建ての方が喜ぶと私は思います。
【毎月の固定費が要らない】
集合住宅は管理費や修繕積立金、駐車場代など結構まとまった固定費が必要です。戸建てはそのような毎月の負担は無いので年金暮らしのシニアにとっては助かります。
《住んでみて感じた戸建てのデメリット》
【防犯面でリスクがある】
いくつになっても怖がりで心配性の私にとって一番の不安は防犯面で、網戸にしたままお昼寝や夜寝られない事です。私だけが特別に怖がりなのかも知れませんが、戸建てに住んでいた時は、夜「敷地内に人が入ったら人感センサーでライトがついたり」「サッシが開くとブザーが鳴る」ようにしてもらっていました。
お恥ずかしいですが本当です。集合住宅より戸建ての方が防犯面でのリスクが高いのは確かだと思います。
【庭の草取りが大変、虫が多い】
夏の草取りはシニアにはかなり堪えます。そして私が防犯面の次に嫌だったのは「虫」が出る事でした。そんなに田舎ではないのに虫は多かったです。でもそれは自然が豊かだということなので仕方ありません。
出来れば無駄な殺生はしたくないのでなるべく関わらないようにしていましたが、戸建てに住んでいた時は「ムカデ」と「蛇」が部屋の中へ、蜂は洗濯物の中へ、「蚊」と「ゴキブリ」は日常でした。公民館で毎年みんなで「ゴキブリ団子」を作ったのも今となっては懐かしい想い出です。
【訪問販売が多く断りずらい】
玄関に鍵をかけても、窓や掃き出しのサッシでどこからでも「外の気配を感じられる」ということは外からでも中に人が居るか居ないか分かるはず、なので特に夏は居留守を使うのが難しかったです。
断るのが苦手な私にとって「訪問販売」は「防犯」「虫」と同じくらいの悩みの種でした。消火器や高級な羽毛布団を買ってしまったことがあります。
特に高齢者になるとグイグイ押されて断れなくなる心配があるので気を付けましょう。
【家の管理・修繕は自己責任・自己負担】
毎月の固定費という支出はありませんが、家の管理とメンテナンスは個人でしなければなりません。費用も一度に出すのは大変です。個人レベルで修繕が出来る方もいらっしゃると思いますが、高齢者には年々と難しくなっていくことでしょう。
私の知り合いで訪問耐震診断業者による法外な金額で床下の耐震工事をした人がいます。高齢者だったり、まして女性の一人暮らしの場合は特に気を付けたいですね。
集合住宅に住んで感じたメリット・デメリット
《住んでみて感じた集合住宅のメリット》
【防犯面でのリスクが少ない】
3階以上なら、「絶対ではない」ですが夜や昼間の防犯面は戸建てに比べてリスクは低いと思います。2階以上と言う意見もありますが、個人的には3階以上の方が安心出来ます。
私は今8階で一人暮らしをしています。家に居る時はベランダ側のサッシには鍵はほとんどかけませんし、夜も網戸で寝られます。しかし泥棒さんは屋上や空き部屋などから侵入することもあるので注意しましょう。
【虫も大丈夫】
マンションで暮らすようになってから「虫」対策をしたことがありません。「ゴキブリ」はいると思いますが見かけるのは年に1、2回。今年はまだ見ていません。見かけたら速やかに出て行ってもらっています。
しかしゴキブリに関しては「少ない」というだけで「いない」わけではありません。低層階は戸建てと同じ条件なので普通の対策は必要です。それ以外の羽の付いた虫は時々飛んできます。
【冷暖房の効率が良い】
角部屋、最上階でなければ冷暖房の効率が良いです。私は中部屋に住んでいますが、特に冬の暖房はコタツと時々エアコンで。夏は西側の部屋なので暑いですが、最近ペアガラスにしたので冷房の効きめも良くエアコンを止めてもしばらくは外より部屋の中の方が涼しいです。
【管理人さんまたはコンシェルジュ常駐・巡回】
各管理規約にもよりますが、管理人さんがいると宅配便の荷物の預かりや留守宅の来客の言付けなどを取り合ってもらえます。宅配ボックスの設置されている集合住宅も増えていますが、高齢者には管理人さんはいるだけで安心です。
私の住んでいるマンションでは管理人さんに「高齢者や一人暮らしの女性のお宅の困りごと」などを対応して頂いています。電球の取り換えや水道の蛇口のパッキンの交換など、時には話し相手にも。
【ワンフロア(平屋と同じ)】
メゾネットタイプでない限り集合住宅は平屋と同じワンフロアです。階段が無く生活動線が「スムーズ」なので高齢者には有難いですね。掃除も「楽」です。
【建物が管理組合で管理されている】
管理費や修繕積立金を毎月収めて管理組合が計画を立てて大規模修繕など建物のメンテナンスを行い、共有部分の廊下、階段、エントランスの清掃やエレベーターの管理、周囲の草取りもしてくれます。ゴミ置き場の掃除も回って来ません。(注:自主管理の集合住宅もあるので情報収集することをお勧めします)
高齢者や一人暮らしでは住まいの管理・修繕は出来ないので全部お任せは嬉しいですね。
【監視カメラ・オートロック】
私が住んでいるマンションはオートロックは付いていません。監視カメラを本格的に付けることになった時は少し抵抗はありましたが、どこからでも外部の人が入ってこれるので今は有難く思ってます。
最近では監視カメラが付いている建物が多くなっていて、更にオートロック付きだと安心出来ますよね。オートロックは後からでも付けることが出来るそうなので、うちのマンションでも次の大規模修繕で賛成が多ければオートロックマンションになると思います。
《住んでみて感じた集合住宅のデメリット》
【ペットやその他の騒音問題】
生活音で下の階に気を遣わないといけないし、上の階の騒音に悩まされることもあります。
ペットの場合は管理規約に「ペット可」と記載があって規約を守れば飼えますが、ただ同じ建物には動物を苦手としている方も住んでいらっしゃるのでトラブルにならないように気をつけないといけません。
リフォームする場合、管理規約などで「フローリング材は下の階の部屋に響かないものを使用する」などの決まりがあることが多いです。
【モンスター住人とのトラブル】
先住住人さんと相容れないモンスター住人さんとのトラブルも時々起こります。ご近所さんトラブルは戸建てでもあり得ますが、こればかりは防ぐのは難しいです。優秀な管理会社さん、理事長さんが居ればいいですけど。
ちなみに私のマンションは住人トラブルで裁判沙汰にまで発展して他の住人さんのストレスはそれは大変なものでした。たまたまその時の理事長さんが優秀な人だったので解決する事ができました。こんなことはあってほしくないし稀なことだとは思いますが、ゼロではないです。
このことをキッカケに住人さん同士が一つになれて逆に良かった面もあります。それからは気の合う一人暮らしの方達(ほぼ高齢者ですけど)がお茶を飲んだりして行き来するようになりました。
何よりお互いの顔を覚える事が出来きたのが一番大きかったです。
メリット・デメリットのどちらとも言えない事
【隣組・ご近所さん付き合い】
集合住宅の場合でも地域のコミュニティーには個人で参加できますが隣組の付き合いは建物1棟で行います。
全て理事会や管理会社任せなので「楽」と言えば「楽」ですが、人間関係が希薄になりがちで私の住んでいるマンションでは老人クラブに入っていない人が多いです。
唯一理事会の役員が輪番制で回ってくると「大変だ大変だ」と言いながら皆さん意外に元気で頑張るんですよ。
そんな人を見てると、いくつになっても「日常生活に何かやりがいがある」って大事だなとつくづく実感します。みんな「誰かに必要とされたい」のだなと。私の92歳の母親を見ていてもそう思います。
【宅配ボックス】
うちのマンションでは途中から宅配ボックスを設置しました。高齢者の方は留守にした場合重たい荷物を自分の部屋まで運ばないといけなくなるので反対の声もありましたが、それを除けばとても便利で今のところ問題なく使っています。
【老後車に乗るか乗らないか問題】
高齢になるといつかは必ず車に乗れなくなるので、車に乗らない事を前提に「終の棲家」を探そうと思います。
今私が住んでいる場所は買い物、病院、娯楽施設など車無しで歩いてどこにでも行けます。駅も近いので歳をとったらこういう場所が良いのかも知れません。
【マンションの管理状態問題】
理事会がしっかり機能していて日頃の管理や修繕が適切に行われ管理状態が良い建て物を選ぶと長く安心して暮らせ、資産価値も維持出来ます。修繕費が安いのは一見魅力ですが、どうしてその金額なのかをしっかりと見極める必要があります。
【緊急事態の時はどうする】
災害時にはどこに住んでいても、自分の命を守るために正しい判断が出来るように、戸建て・集合住宅それぞれの立地や構造をしっかり把握しておくことと、ご近所さんに顔を覚えてもらうのが大事だと思います。
他の関連記事にも書きましたが、私は一応ハザードマップなどを確認して心の準備はしています。でも大地震で建物が倒壊して住めなくなるまで避難所には行かないで猫達と自宅に居ようと思いから普段から備蓄をしています。
私が「戸建て」と「集合住宅」に住んで思う事
前文にも書きましたが、私は人生の後半33年を集合住宅で生活をして来ました。そして、これから先どこで生きて行くかという選択に迫られてます。個人的にはマンション暮らしが良いですが、戸建てに住んで野菜も作ってみたいです。
【私が戸建てを選択した場合】
郊外へ移れば、家庭菜園を楽しむことは出来るけど買い物、病院は車が必須。防犯面が心配。虫も心配。
【私が集合住宅を選択した場合】
家庭菜園は出来ないけれど買い物、病院は徒歩か一般交通機関を使ったりタクシーもすぐに拾えるので足腰が弱っても何とか便利に生活出来る。防犯面も安心。虫も安心。
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そして誰でもいつかは必ず「老いて人生の終わり」を迎えます。皆、人生の最後の日まで自分の力で生活したいと思っているはずですが、自分がどんな最後を迎えるか誰にも分かりません。
でも、このサイトのキャッチフレーズのように「いくつになっても輝いていたい」ので、まず第一に健康に留意して、なるべく周囲に迷惑をかけない生き方を心がけたいものです。
取り敢えず「郊外へ移る」か、今まで通りの比較的便利な場所で「マンション暮らし」をするかを決めるためにも「良い物件」に出会えるようにこれからも探し続けていきます。
ま と め
昨年から本気で家を探し何軒か内覧にも行きましたが、一軒気に入った物件を他の人に先を越されてから「これだ」と思うものに出会えず今に至ります。
「中古物件は世界にたった一つしかない、だから迷っていたら誰かに買われてしまう」という不動産屋さんもいましたが、でも考えてみてください、中古とは言え決して安い買い物ではないので迷って当然です。私は「縁があった・縁がなかった」って考えるようにしています。
不動産を購入する時の注意点などを調べて失敗をしないようにいろいろ勉強もしました。
仕事をしながら、ブログの勉強をしながら、その合間に物件探しもして来ました。環境が変わるのは高齢者にはかなりストレスになるので多少の不安もあります。
でも諦めていません。環境を変えて、新しい仕事に挑戦して、人間関係をガラリと変え新規一転、これからの人生を猫達ともっともっと楽しんで充実させていきたいと考えています。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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